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DJ機材の選び方Part2 -ヒップホップ編-

  さて、前回に引き続きこれからDJを始めようとしている人、現在のシステムから移行しようとしている方にジャンル、用途、予算などを総合したオススメのDJ機材を提案していきます!

 

今回はヒップホップDJ向けの機材選定です。

DJシステムの種類 

前回のブログで簡単にDJ機材の歴史を振り返りながらDJ機材の種類についてご紹介しました。

改めてDJシステムについて簡単にまとめるとDJをするには以下の3種類の方法があります。

 

CDJでCDやUSBに保存した曲をプレイする

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②PCとDJコントローラーでPC内の楽曲をプレイする

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ターンテーブルCDJをコントローラーとしてPC内の楽曲をプレイする

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今回、アナログレコードによるDJ方法については除外しています。

このご時世にあえてアナログでDJしようなんて気合いの入った方はこのブログ読まないし参考にもならないでしょうから…

 

結論から言うとヒップホップやバトルDJのようにスクラッチを多用した二枚使いなどをしたい人は問答無用でです。

このターンテーブルを使用したPCDJのシステムを「DVS」といいます。

①、②のCDJやコントローラーでもスクラッチは出来なくもないですし、実際CDJでスクラッチしてるDJもいるにはいるのですが、あれは限られた才能と鍛練による特殊技能です。凡人はセオリーにしたがいましょう。

 

まず、DVS最大のメリットはレコードと同じ感覚でDJプレイが出来る点です。まったくの初心者さんだとターンテーブルで回ってるレコードを操作するなんて難しそう!」と思うかもしれませんが、実際慣れてしまうと繊細な操作はターンテーブルが一番やりやすいと思います。

CDJを使ったDJもしてみたい…」という方も安心してください。DVS対応のインターフェースがあればターンテーブルの他にCDJで操作する事も可能です。

 

DVSシステムの種類

前回も軽く触れましたが、アナログターンテーブルCDJをコントローラーとしてPC内の楽曲をプレイするシステム環境をDVS(digital vinyl system)と言います。 

そのDVSシステムを構築する為のPCソフトとインターフェースは通常セット販売されており、2018年現在クラブで使われている主要なDJソフトは以下の3種類です。

①serato DJ Pro(旧Scratch Live)

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serato DJはRane社のSLシリーズもしくはDENON社のDS-1にバンドルされています。

黎明期からトップシェアを誇るPCDJソフトの代表格であり、現在発売されている多くのDJソフトの基本を作った雛形でもあります。

老舗らしくソフトの動作も安定しており使用しているユーザーの数はダントツで、特にヒップホップDJのほとんどがseratoを使用しています。

serato自体はソフトのみで使用するハードを生産していないので、対応するインターフェース内蔵のミキサーやコントローラーがPioneerやRolandなど他各メーカーから発売されています。

traktor scratch

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TraktorNative Instruments社のDJソフトで同社の専用インターフェース、専用コントローラー、専用ミキサーにバンドルされています。同社の専用設計の機材と組み合わせて使用することで、アナログでは不可能なPCDJならではの様々な機能がプレイの自由度を広げてくれます。

シェアではseratoに譲りますが、ハウス、テクノ系のDJやスクラッチやトリックプレイを多用するバトルDJから根強く支持されています。

少し上級者向けですが、「steam(スチーム)」というボーカル、ドラム、シンセなど各パートが独立して収録されている独自規格の音源が扱えるのもミックスの幅を広げてくれます。

③rekordbox djf:id:djtamaki-hb:20180528083436j:image

rekordbox dj/rekordbox DVSはPioneer社のDJソフトで同社の専用インターフェースInterface2にバンドルされています。

上記2つのソフトにくらべ後発でありながら、DJ機材メーカーとしてPioneerが蓄積してきた多くの技術やノウハウが詰め込まれています。

初心者でもわかりやすい日本語表記やPioneer製品との親和性の高さが支持され、日本では特にアニソンDJの間での普及率が高く最近ではジャンルを問わず急速にシェアを伸ばしています。

また後述するように既にクラブ常設のDJ機材としてデファクトスタンダードとなっている同社製品との親和性の高さも見逃せません。

 

オススメのDVS

以上が各ソフトの簡単な紹介ですが、結論として僕がDVSシステムの中で今最もオススメなのはPioneerのrekordboxです。

 

これから具体的なオススメポイントを3+1に分けてご紹介していきます。

オススメポイントその①コスパの高さ」

Pioneerから発売されているrekordbox DVS対応のInterface2ですが、そのお値段なんと34,800円(税込)

serato DJ Pro対応のRane SLシリーズの同クラスの製品と比べると半額です。最上位モデルのSL4と比べると1/4の価格です。

これはインターフェース自体の機能、価格差が加わっているので一概にInterface2のコスパを表す指標と言い切れません。

 

次に肝心の付属ソフト単品の価格と機能についても比べていきましょう。

通常、DVS機能というのはDJソフトの拡張機能で別売となっています。

・rekordboxの場合

rekoordbox     ←無料(楽曲管理ソフト)

rekoordbox dj    ←15,000円(DJソフト)

rekoordbox DVS←12,000円(DVS拡張機能)

(Pioneer DJ公式HP調べ)

 

・seratoの場合

serato DJ Pro    ←15,000円(DJソフト) 

serato DJ DVS  ←11,500円(DVS拡張機能)

(serato DJ Pro国内正規代理店ディリゲント公式HP調べ)

 

このように、どちらもほぼ同額となっているように思えますが、実はDJソフトに元から付属している機能に少し違いがあります。

 

まず、曲の速度を変えてもキー(音程)が変わらないマスターテンポというDJをする上では必須の機能がrekordboxの場合は最初から付属しています。(同社のCDJにも搭載されています)

setato DJでも同様の機能が搭載されていますが、さらに高精度の「PITCH'N TIME」という別売3,400円の追加プラグインがあります

 

その他にもseratoにはiZotope社の高品質なエフェクトを追加購入する事が出来ます。

対してrekordboxにはPioneerのDJMシリーズと同等のエフェクトが元から搭載されています。

 

どちらの方が優れているとは一概に言えませんが、「seratoの場合、必須というわけでは無いが必要な機能は追加購入可能」「rekordboxの場合、拡張性は低いが必要な全ての機能が搭載されている」と言えます。

例外として映像を扱う「rekordbox video」、同社の高級エフェクターであるREMIX STATIONのエフェクトを再現した「RMX Effects」は別売りとなりますが、普通にDJをする分には必要の無い機能なのでrekordboxは実質、全部入りのフルパッケージとなります。

 

そして、Interface2にはコントロールヴァイナルというPC上のソフトをコントロールする信号が記録されている専用レコード(2枚セットで4,500円)も付属していますので、rekordbox dj/DVS対応のInterface2インターフェース自体の値段は、34,800円−15,000円−12,000円−4,500円=実質3,300円という驚きのコスパ

もちろん接続する為のケーブル類なども全部入ってます。

 唯一同梱されていないのがCDJでコントロールするためのコントロールCDですが、こちらはrekordbox公式サイトでwav形式のコントロールシグナルが無料ダウンロード出来ますのでCD-Rに焼けばコントロールCDとして使用できます。

 

もしこれからDJ機材をいちから買い揃えるという人は、Pioneer製のrekordbox dj/DVS対応ミキサーにはrekordbox dj/DVSのライセンスがついているので、PioneerのターンテーブルPLX-500が2台セットで79,600円、ミキサーDJM-250MK2が39,800円(共に税込オタレコ価格)これにコントロールヴァイナル(約4,500円)だけ買い足してやればいいので、総額で約123,900円となります。

これなら手が届く!ごく平凡なサラリーマンでも2ヶ月くらい飲みを我慢すれば買える!学生でも3ヶ月くらい目一杯バイト貯金すれば買えそう!

ちなみにPCも持ってないよ!って人はあと3ヶ月くらい我慢してMacBook Air買ってください。本当はMacBook Proの方がオススメですけどAirでも全然動きます。

 

いよいよクラブデビューとなってもクラブのミキサーがrekordbox dj/DVS対応のDJM-900NXS2だったら自宅と同じようにプレイ出来ます!

もしクラブのミキサーがちょっと古くてDJM-900とかだったら別途Interface2が必要になりますが、風の噂によるとSLシリーズでもrekordboxは動くとか…(要検証)

 

オススメポイントその②「日本語フレンドリー」

さすが国内ブランドだけあって日本語表記、日本語検索が優秀です。

serato、Traktorは海外メーカー製品ですので日本語にローカライズされていても多くの表記は英語です。

rekordboxの場合、画面上のあらゆるアイコンにカーソルをかざして少し時間がたつと日本語の簡単なチュートリアルが表示されます(オフにも出来ます)

これはDJ初心者だけでなくseratoから乗り換えたって人にも優しい機能ですね。

 

オススメポイントその③「親和性」

同じPioneer製品との親和性がとにかく高いです。

現在クラブに常設してあるDJ機材(ミキサー、CDJ)の99%はPioneer製品です。technicsがDJ向けターンテーブルの製造から撤退した現在、アナログターンテーブルもPioneer製に置き換わりつつあります。

Pioneerもserato対応のミキサーやコントローラーを製造していますが、クラブの業界標準であるDJM-900NXS2、CDJ-2000NXS2は基本的にrekordboxとの連携を主眼に作られています。

LANケーブルかUSBでの接続(PioneerではPro Linkと呼称)によりミキサー、ターンテーブルCDJ、PCを相互にリンクさせてたシームレスな操作が行えるようになります。

この場合、外部インターフェースも必要なくなるので音質の劣化が一切なく出力する事が出来るのも大きなメリットです。

 

rekordboxの弱点

なんだか無敵の感すら醸し出して来たrekordboxですが弱点もあります。

 

録音機能

DVSを使用する場合、rekordbox内の録音機能でDJプレイを録音出来ないのです。

DVSの場合、実際にDJプレイでお客さんに聴こえてる音声はミキサーのアウトプットから出力されています。なのでSL3のようにセンドリターンが無いとDJプレイを録音する事は出来ないのですがInterface2にはセンドリターンは搭載されていません。

 この救済?としてDJM-900NXS2にはセンドリターンUSB端子があるのでiPhoneと繋いでPioneerのDJM-RECというアプリで録音する事が出来ます。

 

Pioneer製しか選択肢がない

Pioneer製品との連携サイコーと書いてきましたが、裏を返せばPioneer製のコントローラーやインターフェースでしかrekordboxは使えません。

例えばRolandシーケンサー付きのserato対応のDJコントローラーのようにメーカー独自の機能を持った製品を選ぶ事が出来ないのです。

 

オススメポイント番外編 

これは実際に現場でDJをした事があるDJならわかると思うのですが、DJ同士の転換で次のDJが「あれ音が出ない?」なんてことはよくあります。冷静にやり直してみると「ミキサーの入力がPhonoじゃなくLINEになってました」とか「左右のケーブル逆でした」とか超初歩的なミスなんですが、薄暗くて狭いDJブースの中だとこの手のトラブルは日常茶飯事なんです。

大抵はすぐに気づいて事なきを得るんですが、たまに「本当に音が出ない…ていうかインターフェースが認識してない?」みたいな深刻なトラブルにブチあたる事があるんです。これはPCという機械に頼っている以上仕方がない事です。

しかし、いついかなる場合でもDJは音を止めてはいけません。お金を払って来てくれているお客さんに「PCの調子悪いんで今日はDJできません」では通りません。

 

そんな時に便利なのがrekordboxのUSBにプレイリストを保存しておく機能です。

そもそもrekordboxというソフトの始まりはキューポイントやBPMなどを記録した楽曲プレイリストをUSBに書き出してCDJでプレイするというのが出発点なんです。

PCでプレイするのと同様にCDJの画面に波形データやキューポイントなども表示され、もちろんオートシンクも使用出来るので、PCの場合と遜色なくプレイ可能です。

突然のトラブルでPCが使用出来なくなった場合はもちろん、転換に時間がかかりそうな場合、最初の何曲かだけUSBでプレイしてPCにバトンタッチなんて事も可能です。

 

個人的にこの機能はメチャクチャおすすめです!

 

僕自身、大きなトラブルでPCでDJが出来ない事態に陥った場面はこれまでないのですが、他のDJさんがトラブってる場面を何度も目にして来たので、DJをする時は常にポケットにバックアップ用としてUSBを忍ばせています。USBはじゃんぱらで32GB/980円のとかで売られてる安いので全然OKです。

「何かあっても最悪USBがある」という安心感。万が一の保険としてこれがあるかないかで気持ちが全然違います。980円で買える安心感。安いと思います。

 

まとめ

 長々と説明してきましたがこれからDJを始めようとしてる人の一助になれば幸いです。

現在圧倒的なシェアを誇るのseratoを飛ぶ鳥を落とす勢いで猛追しているrekordbox。

今後さらにシェアと機能の拡大を見込んでrekordboxオススメです!